【カナル型イヤホン Pioneer SE-CX9-S レビュー】自己主張のある圧倒的な量感の低音が迫力のあるサウンドを奏でる
Pioneer ハイブリッド構造インナーイヤヘッドホン SE-CX9-S
大きめのアルミハウジングがいかにもな風格を漂わせるイヤホン。 ややクセがある装着感なので店頭で耳に合うか確認した方が良いかも知れない。
ドライバーはバランスドアーマチュア1基と独自の低音ユニットBASS EXCITERを組み合わせたハイブリッド型。 バランスドアーマチュアを組み込むことで中高音域の音のクリアさと繊細さを出すことを意図しているようだ。
低音重視で音漏れは若干気になるが、量感の割に漏れは少ない印象で、遮音性は高めで没入感は高い。 しかしながら音質は低音がとにかく圧倒的でバランスドアーマチュアのドライバーは1基ではいささか力不足のようだ。 ドラム音やベース音が圧倒的な量感で響いてくるのでバランスドアーマチュアの透明感のある音が素直に低音の爆音に引っ張られ、埋もれる。とくに穏やかな曲調ではズンズンドンドンというかズドンズドンという感じで容赦なく唸りをあげるベース音やドラム音が気になって仕方がない。
一方で勢いがあるクラブミュージックのような曲の場合は低音のアタック感が増幅されてリズム感と迫力が増し、肉厚なサウンドを楽しめる。 音割れしがちな重低音は意外にも抑え気味で、クラブミュージック向きの低音底辺あたりが底堅く厚みを作る音であり、ブーミーではあるが不快感が少なく聞きやすい音になっているのが独特だ。
圧倒的な低音を楽しみたいならこのイヤホンは文句なくおすすめできる。
Pioneer ハイブリッド構造インナーイヤヘッドホン SE-CX9-S